エコバッグや展示会やイベントの販促品として、認知度が少しずつ上がってきた不織布バッグ。
紙袋やポリ袋と違い、素材自体が普段の生活ではあまり馴染みがないためか、「不織布」という素材の特徴についてよくお問合せいただきます。
そもそも不織布って何?といった疑問から、可能なオプション加工、印刷の方法などお問合せいただくことは様々です。
今回はお客様から問い合わせいただいた数ある質問の中から、「レレカの不織布バッグは、どれくらいの重さに耐えられるのか?」という質問にこたえるべく、検証いたしました!
検証の前に、不織布バッグの工場に耐重量を聞いてみました。
一般的な不織布の基準では、10kg~20kgまで耐えられるとされているそうです。
もちろん素材の厚みや、持ち手の接合部分が縫製か熱圧着かによっても変わります。
また袋の形状、中にいれる物、重さが袋のどの部分に負担をかけるかによっても変わってくるため、10kg~20kgより軽いものを入れた場合でも破れてしまう可能性はあります。
実際に不織布バッグを使用する際には、工場が定める基準の耐重量を目安にご使用ください。
今回は基準を超えて「不織布バッグの限界は?」「袋のどこから破れるのか?」といったことも含め、ご回答できるように検証いたしました。
ちなみに検証前の社内の予想は以下の通りです。
1位 10kg前後
2位 20 kg前後
3位 15kg前後
社内の予想は10㎏~20kg前後に集中しました。
不織布は、その名の通り織らずに作られる素材です。
ですので、コットンなどの他の布製品のバッグと比べて耐久力はかなり低いのでは。との予測でした。
それではさっそく検証の結果を、写真を交えてご紹介していきます。
※今回の検証結果はあくまで、参考としてお考え下さい。検証の結果を保証するものではありません。
検証する袋として、レレカの展示会でも配布したオリジナルの不織布バッグを準備しました。
ちなみに、レレカがこちらの不織布バッグを展示会用に製作した理由は、展示会会場から帰る際の荷物をまとめて入れるバッグになれば、販促宣伝効果が期待できるという狙いからです。
展示会で沢山もらう資料や、販促品等をすべてまとめて入れられるように、かなり大きめのサイズで製作しています。
実際に実験で使用した不織布バッグの詳しい仕様は、下記の通りです。
レレカ既製品の「カジュアル不織布トートバッグ大」という商品です。
商品の詳細が気になる方は、こちらからお問合せ下さい。
耐久力を計測するための重りとして、2リットルの水が入ったペットボトルを3本準備しました。
また展示会を想定し、レレカのパンフレットも準備しました。
パンフレットは1冊79gの一般的なA4サイズのパンフレットです。
レレカのサービスや取り扱いの商品なども多数掲載しています。表紙を合わせて16ページの冊子です。
上記のパンフレットが50冊で1束にまとまっています。
※この実験ではあくまで、「純粋な重さによる負荷がどこまで耐えることができるのか?」という検証をするため、冊子の角や冊子をまとめるホッチキスなどが極力不織布に当たらないように調整しています。
今回検証を行ったスタッフは下記の通りです。
◆撮影担当
・30代の男性社員(ぎっくり腰持ち)
◆検証担当
・20代の男性社員(腰痛持ち)
・20代の男性社員
検証を行うスタッフの3名中2名が腰に問題があるという、かなり心もとないメンバーが集まりました……。
それでは、この布陣で不織布バッグの耐久力検証を行っていきます!
さっそく不織布バッグにパンフレットを入れて検証していきます。
1冊ずつでは、なかなか時間もかかるため、79gのパンフレットの50冊がセットになった束を一気に入れていきます。
つまり1束で約3950g、約4kg程になります。
その束をざっと4束(15800g)入れ、一気に約16kg程の冊子を入れてみました。
この重さに耐えられれば、検証前の社内予想1位10kg前後は余裕でクリアし、一気に3位の15kg前後に到達することになります。
まずは不織布バッグのハンドルを持ち上げやすいように持ち手を揃えます。
こちらのハンドルは、肩からも下げられるほどの長さに余裕のあるハンドルです。
4束の時点では、袋の内容量にもまだまだ余裕がありますね。
約16kgの冊子が入った不織布バッグを持ち上げてみます。
16kgの重さでも、片手で持ち上げるにはかなりの力が必要になりました。
こちらの不織布バッグは袋部分とハンドル部分は縫製ではなく、熱による圧着でつけられています。
約16kgの重みが、ハンドルと袋の接合部分に負荷をかけています。
試しに何度か床に置いて持ち上げる動作を繰り返してみましたが、まだ不織布バッグが破けたり、ハンドルが取れそうな気配はありませんでした。
約16kgの袋を持ち上げたり、降ろしたりを繰り返していると、袋より先に腰痛持ちのスタッフの腰が限界に達しました。
ここで別のスタッフにバトンタッチです。
では不織布バッグに、さらに重りを追加してみましょう。
袋にはパンフレットの50冊束が4束と、2リットルのペットボトルが3本入っています。
合計すると、袋の中身の重さは合計で21,800g。約22kgの負荷が不織布バッグにかかります。
この重さに耐えることができれば、社内予想2位の20kg前後もクリアです。
持ち上げる力も、片手で持ち上げるにはかなりの力が必要になってきています。
この辺りから検証のテーマが「袋がどれくらいの重さに耐えられるのか」から、「スタッフがどの重さまで持ち上げられるのか」へと変わってきました。
パンフレットの角がなるべく不織布バッグに当たらないように、袋の中身を整えます。
しばらく持ち上げたままキープしてもらったり。
ちょっと歩いてもらったり。
ここで5分ほど持ち続けてもらっていたので、一旦袋のチェックのために袋を置いてもらいました。
不織布バッグはまだ大丈夫そうですね。
一方でスタッフの腕にそろそろ限界が来ています……!
片手で持ち上げているため、重心が偏り、腰と腕にすごく負担がかかるそうです。
さらに重量を上げるため、不安定になるペットボトルは一旦置いておき、パンフレットの束を6冊入れてみます。
さっきより若干重量が増し、合計で23,700gの重さ、約24kgです。
見た目は袋から中身がはみ出る部分は少なくなりましたが、重量は先ほどのペットボトルを入れていた時より、約1.5kg程増えています。
さらに束からバラした50冊のパンフレットを不織布バッグの間につめ、形を整えたのちに、さらに冊子を追加しました。
袋の中には合計8束の冊子が入っています。
これで袋の中身は合計で31,600g、約31.5kgの冊子が入っています。
袋はかなり重みにより引っ張られ、75g/mの厚みのある袋でも中身が透けて見えます。
布地とハンドル部分の圧着部分に、かなり負担がかかっていることが分かります。
冊子の角が当たっている箇所にも、かなりの負担がかかっています。
不織布の布地が重さにより引っ張られ、薄くなり始めていることもあり、何度が持ち上げたり、置いてみたりとこの重量のまま動かします。
持ち上げているスタッフの手はそろそろ限界にきています……
控えメンバーがぎっくり腰持ちと腰痛持ちのため、もうバトンタッチするスタッフはいません。
スタッフの右手を開放するべく、不織布バッグを持つ手を左手に変えてもらうことにしました。
スタッフが左手に持ち替えて、持ち上げようとすると……
ついに約31.5kgの重量に耐え切れず、不織布バッグの持ち手部分が破れ、片方のハンドルが完全に取れてしまいました。
ハンドルの接合部分ではなく、ハンドル部分のやや下の不織布バッグの口部分から破れる結果となりました。
不織布が重さにより引っ張られ、薄くなってきていた箇所です。
不織布バッグの耐久力を検証するため、今回は重さの検証を行いました。
その結果、「約31.5kgの荷物を入れると持ち手の部分から破れてしまう可能性があること」が分かりました。
当初の予想を大きく上回る結果でした。
今回の結果をパンフレットの冊数に直すと、A4サイズ79gのパンフレットで、8束。
1束50冊入りのため、400冊のパンフレットに値します。
さすがに展示会などでは、この量の冊子を入れることはないかと思いますが、100冊程度のパンフレットなら余裕で入りますね。
ただ、同人イベントなどの使用をご検討のお客様は、お買い求めいただいた大切な同人誌を傷つけてしまう恐れがあるため、中身の入れすぎにはご注意ください。
また不織布バッグは、2次利用としてサブバッグやお買い物バッグとしても利用されるケースがあります。
繰り返しご利用いただく際には、他の布製品と同様、破れやすくなる可能性がございますのでご注意ください。
さらに強度が欲しいというお客様へ。
などの方法で、より重さに耐えられる不織布バッグを製作できると推測できます。
また今回破れてしまった持ち手部分について。
ハンドルの接合部分が熱による圧着では不安であれば、縫製や口部分に口ボールを入れることができます。
その際はフルオーダー製作で、オリジナル製作させていただきますので、別途レレカスタッフまでお問い合わせください。
不織布バッグの製作なら、是非レレカにお任せください。
不織布バッグの生地の厚みから、形状、オプションといった細かなご要望まで、お客様にご納得いただける製品を作れるようご協力いたします!