レジ袋の有料化が進み、どのスーパーでもレジ袋が無料でもらえなくなってきている中、
そこでマイバッグを利用されているという方、ノベルティとして、マイバッグ、エコバッグを配布する企業も増えています。
マイバッグ、エコバッグなどの袋の制作をする際に、その袋の素材を悩まれる方は多いかと思います。
布系の袋を作るときに、コットン素材で作るには予算が足らなかった、もう少し安い商品はないか?
と探したことはないでしょうか?
そんな方々の検討材料としてよく上がるのが、「不織布バッグ」です。
そうやって検討材料として上がってきた不織布バッグを
「あー、不織布バッグね」
とすぐにイメージや、どんなものかが分かる方は残念ながらまだ多くはありません。
それでは、不織布バッグの不織布(ふしょくふ)とはいったいどのようなものなのでしょうか?
今回は不織布バッグの素材でもある「不織布」についてご説明いたします。
布を作る際は、素材となる糸を縦横に規則正しく組み合わせることにより作ります。
これが一般的な、よく目にする布となります。
糸の素材が化学繊維や動物、植物だったりすることにより、仕上がりは異なります。
他には、糸を編むという手法で布を作る方法もあります。
糸を絡み合わせたり、輪を作り、そこに糸を通したりして糸から布へと編んでいきます。
これはマフラーやセーター等の編み物を作ったことがある人ならなんとなくイメージができるかと思います。
こういった布とは違い、不織布は名前の通り、糸や糸の素材として使うような繊維を織らず繊維自体を絡み合わせたり、熱で圧着したりしてシート状にしたものです。
通常の布などは繊維を糸にしたようなもので織っているのですが、不織布は科学、機械的な作用で接着することによってつくられる布になります。
不織布バッグとして使うものの素材としてはナイロンやポリエステルやポリプロピレン等、合成化学繊維が主ですが、広義での不織布は様々な素材が使われています。
たとえば、
といったものは一例で他にも様々な素材が目的や用途に合わせて不織布の素材として使われています。
昔ながらの伝統的な不織布というところでは、フェルトは動物の毛を絡ませながら作られており、タパという不織布は木の皮をつかってつくられ、アマドゥという不織布はなんとキノコから作られているとのこと。
キノコは食物繊維が豊富と聞いたことはありますが、不織布にも使われているというのは驚きですね。
不織布歴史は実はかなり古く、さかのぼれば、紀元前5世紀~紀元前4世紀には作られていたのだとか。
当然当時は今の不織布の主流となっているような素材の化学繊維等は使われず、動物や木などの繊維を織り交ぜたものをたたいたり、ひっぱたりと加工し、不織布のシートを作っていたそうです。
フェルトと呼ばれる当時の不織布は衣服や絨毯などに活用され、これが不織布の原型になったといっても過言ではありません。
1920年頃、現在の不織布はそういった昔ながらの手法で作られた不織布の代用として、より簡単に作るためドイツのフェルト業者が接着剤で繊維を固めたのが始まりと言われています。
日本で本格的に現在のような不織布が作られるようになったのは1950年代半ば。戦後の復興から高度経済成長期に差し掛かるタイミングです。
まず最初に日本で生産されたのは不織布の中でも乾式不織布という製造方法で作られた不織布です。
この乾式不織布というのは、機械で波状に成形された不織布を針で突き刺したり、熱で溶かしたりしながら不織布の繊維を絡み合わせて作られるというのが特徴です。
この乾式不織布で作られた不織布は、糸で織られた布のような仕上がりになります。
乾式不織布の約2年後、今度は湿式不織布の製造方法にも日本は成功します。
湿式不織布は紙を作るときの製造方法と似ています。
水と繊維を網に載せ、そこから圧力をかけたり、熱で水分を飛ばしたりといった方法で、仕上がりも紙のような仕上がりとなります。
この二つの製造方法が広まっていくにつれ、不織布は急速に日本でも普及していきます。
日本では元々紙の製造業者が不織布も作っていることが多くみられます。これは不織布の作り方が紙の作り方とよく似ているためではないでしょうか。
不織布バッグとしては最初に広まった製造方法ではなく、スパンボンド法と呼ばれる製造方法が主な製造方法になります。
スパンボンドという製造方法は原料のポリプロピレンなどのチップを溶融し、長い糸状にしたものを重ねて熱でシートを作ります。
原料から不織布にするまでの工程が一貫して行えるため、大量生産やスピーディに不織布を生産することに向いている製造方法です。
またチップを溶融した長い糸を途中で切ることなく作るため、使われる繊維自体が長く、強度がその分高いという特徴もあります。
そうしてできた不織布のシートを縫製したり、熱で圧着したりすることにより、不織布バッグが完成します。
レレカの不織布バッグの強度に関しては不織布バッグの強度を実験した記事がございますので、そちらも参考にご覧ください。
不織布の特徴としてはまずは布などに比べて、安価に製造できる点が特徴として挙げられるのではないかと思います。
弊社でも布製のトートバッグも取り扱っていますが、同じ厚みの不織布と比べ、かなり薄い生地にしなければ、不織布の値段に勝てません。
他の特徴としては、製造方法でも少し触れたように、不織布は様々な繊維を組み合わせて作ることができます。
また、製造方法も繊維を絡み合わせるのか、熱や機械で圧着させるのか等、様々な製造方法があります。
この素材と製造方法の組み合わせにより、不織布を用途に合わせて様々な機能を持たせることができます。
ではすべての布を不織布のように作ればいいのではないかというとそうではありません。
不織布にも苦手なこと、向いていない用途といったものが存在します。
まず不織布は衣類等で使われてるような布のように、繰り返し洗濯しながら使うということに向いていません。
これは布が編まれて作られているのに対して、不織布は繊維を絡ませたり、圧着したりといった製造方法に関係することです。
不織布は実は様々なところで活躍しています。身近なところでは冬場に活躍するカイロの袋やコーヒー用のフィルター、DVDやCDのケース、使い捨てのおしぼり等。
すべての製品とまでは言えませんが、かなりの製品で不織布が素材として使われています。
あまり目にする機会はないかもしれませんが、不織布の通気性や素材の特徴を生かして、木の根と土を保護するために使われたり、工事用の防塵マスク、医療用のガーゼから、おむつまで活躍している範囲は多岐にわたります。
もちろんレレカで取り扱っている不織布バッグもあります。
不織布バッグはエコバッグや記念品、アパレルの店舗の買い物籠の代わりとしてなど、様々な用途で使われています。
不織布バッグの不織布についてよく知らなかった人も多かったのではないでしょうか?
調べてみると意外と歴史ある製造方法だということがお分かりいただけたかと思います。
編む、織るという製法ではなく、織らないという新しい概念を元に作られた不織布は機械的な製造方法が確立された時には革新的な製造方法として産業に影響を与えました。
また、様々な素材や特徴、機能を持たせた不織布は広い分野で活躍することになりました。
近年では、レジ袋の削減やエコバッグ等環境に配慮した取り組みも浸透してきています。
レレカでは不織布バッグとして販売していますが、年々そういった時代の背景もあり、不織布バッグの需要が伸びてきています。
紙よりも丈夫で、布よりも安価な不織布バッグ。ご検討の際にはぜひレレカにご相談下さい。