〜コンビニのマルチコピー機でスキャンする方法を解説します〜">
レレカでは紙袋、ポリ袋、トートバッグなど様々なバッグの制作を取り扱っています。
店舗や企業のイベント用に「オリジナルバッグを作りたい!」とお考えのお客様も多いです。
せっかく作るなら、オリジナルデザインで他にはないものを作りたいですよね。
でも、デザインを作るためのソフト(illustratorやPhotoshopなど)は持っていないし、使ったこともない……
そう諦めてはいませんか?
以前のコラムで、手書きのデザインデータでオリジナルバッグは作れるのか?というチャレンジをしてみました。
結果、スマートフォンで撮影したデータでは解像度が低く、印刷用のデータにするために修正費がかかってしまいました。
諦めずに、今回も手書きのデータからオリジナルの不織布バッグの制作に挑戦してみましょう。
しかも今度は一歩進んで、手書きもしくはプリントアウトしたイラストを、印刷に適した解像度のデータにする!ことが目標です。
さて、どんなやり方なら上手くいくのでしょうか。
今回データを取り込むのに使うのは、コンビニのマルチコピー機です!
実はこのマルチコピー機、コピーだけではなくスキャン機能もついているんです。
しかも!設定によっては結構な高解像度でデータを取り込めます。
どんな設定でスキャンすればうまくいくのか、順を追ってみましょう。
まずはスキャンしたい原稿がなくては話になりません。
手書きでも構いませんし、文字をプリントした紙でもOKです。
原稿のサイズが小さすぎると、拡大するときに解像度が落ちてしまいますので、必ず印刷したい実寸、または少し大きめに原稿を用意しましょう。
また、印刷色が何色であろうと必ず黒1色で原稿を作成してください。
今回は不織布バッグへの印刷なので、グラデーションなど濃淡のあるデータも使用できません。
鉛筆やシャープペンシルでは線がグレーっぽくなってしまいがちなので、サインペンなどではっきりと描くことを推奨します。
前回同様、レレカの「ワンポイント不織布」という商品への印刷に挑戦します。
デザイン可能範囲は150×210mmですので、そのサイズに収まるように原稿を用意します。
※テンプレートが開けないなど、注文したい商品のデザイン可能範囲がわからないときは、担当オペレーターまでお問い合わせ下さい。
クリアファイルは原稿を折らずに持ち運びするためには必須です。
せっかく作った原稿も折り目がついてしまうと、折り目も一緒にスキャンされてしまいます。
原稿は折れたり汚れたりしないように注意して持ち運びましょう。
スキャンするための小銭も忘れずに。
お釣りも出るのでお札しかなくても大丈夫です。セブンイレブンではnanacoでの支払いも可能です。
ちなみに2020年1月現在、コンビニ各社のスキャン料金は1枚あたり30円です。
※スキャン可能なサイズはA3サイズ(420×297mm)までです。
それ以上のサイズは、コンビニのマルチコピー機ではスキャンできませんのでご注意ください。
USBメモリはスキャンしたデータを持ち帰るときに使います。
セブンイレブンのマルチコピー機では、お持ちのスマートフォンに予めアプリをインストールしておけば、スキャンデータしたをスマートフォンに保存することもできます。
USBメモリをお持ちでないお客様はぜひ試してみてくださいね。
アプリは以下からダウンロードできます。
iPhone Android
それでは、いざ!コンビニへ向かいましょう。
今回は、セブンイレブンでのスキャンに挑戦します。
まずはコピー機のフタを開けて、原稿をセットします。
スキャンしたい面が下になるように置いてくださいね。
なるべく傾かないように水平に置くように心がけましょう。
このとき、埃やゴミが入ってしまうとそのままスキャンされてしまうので、コピー機の盤面を軽く拭いておくとよいでしょう。
原稿がセットできたら、いよいよスキャンの設定を行っていきます。
ご希望の保存方法を選んでください。
USBの場合は画面の指示に従い、USBメモリをセットします。
※事前にUSB内のデータのバックアップは必ずとってください。
スマートフォンに保存する場合は、使用する端末をiPhone/iPadまたはandroidから選びましょう。
スキャン使用同意を確認し、次へ進みます。
ここではカラーモード、読み取りサイズ、解像度、ファイルの保存形式を選びます。
データの用途によって設定を変更しましょう。
今回注文予定の「ワンポイント不織布」で推奨されている画像の設定は、
入稿ガイドで確認するとグレースケール、解像度350dpi以上となっています。
ところが、コンビニのスキャンの設定には「グレースケール」はありません。
代わりにカラーモードを「白黒」でスキャンしてみましょう。
読み取りサイズは原稿のサイズに合わせて選んで下さいね。
今回は「A4サイズ」です。
次に解像度を設定します。
せっかくなので一番高い「600dpi」を選びました。
原稿の画質は「自動(文字/写真)」を選びます。
次にファイルの保存形式を選びます。
JPEGはカラーのみだったため、その他から「TIFF」を選びました。
設定を確認後、「原稿を読み取る」ボタンを押します。
スタート前に必ずプレビュー画面で仕上がりを確認しましょう。
問題なければ次へ進みます。
スキャンしたい原稿が複数ある場合は、次の原稿に入れ替えて、再度「原稿を読み取る」ボタンを押します。
1枚のみの場合は次へ進みます。
今回はスマートフォンにスキャンデータを保存してみます。
「セブン−イレブン マルチコピー」アプリを開き、メニューから「スキャン」を選び、「接続」を押します。
711_MultiCopyのWi-Fiに接続されると、接続番号が携帯に表示されます。
表示された番号をマルチコピー機に入力しましょう。
支払いを行い、「保存スタート」を押すと端末にデータが保存されます。
スマートフォンに保存した場合、スキャンしたファイルはアプリ内のスキャン画面内に保存されます。
これでスキャン作業は完了です。
マルチコピー機に原稿を忘れて帰らないよう、必ず確認しましょう。
USBは指示があるまで機械から外さないようにご注意ください。
さて、スキャンした画像を確認してみましょう。
上手くいった!かと思いきや、なんだかぼんやりしている気がします。
拡大してみると……
残念!!!
なんだか線がブツブツしています。
調べてみたところ、セブンイレブンのマルチコピー機で白黒を設定すると、グレースケールにはならず、モノクロ2階調かつ誤差拡散法でスキャンされてしまうようです。
遠目に見るとキレイなデータなのですが、粒子の粗いドットで作られたデータになってしまっているため、このデータでは印刷には使えません。
では、どうすればよかったのでしょうか。
設定を変更して再挑戦してみましょう!
今度はカラーモードの設定から「カラー」を選んでスキャンしてみました。
カラーを選ぶと解像度は400dpiまでしか設定できません。
今回入稿データに必要なのは350dpi以上でした。
400dpiあれば十分なのでそのまま進めます。
カラーでスキャンすると、保存形式で「JPEG」を選ぶことができました。
その他の設定は先ほどと同じです。
今度はどうでしょうか?
パッと見は上手くいったように思えますが、本当に大丈夫なのか少し不安が残ります。
このデータは使用できるのか、レレカのデザイン担当に事前確認をしてみることにしました。
レレカではデータ入稿に不安のあるお客様のため、入稿前にデータの事前確認を行っております。
事前確認をご希望の方は、お気軽に担当オペレーターまでご連絡ください。
事前確認時には下記の情報を必ずお伝えくださいね。
印刷色もわかると尚ありがたいですが、お悩み中の場合は入稿時までに決めていただければ大丈夫です。
メタリックカラー(ゴールドやシルバー)など印刷色によっては、一部料金が上がる場合もございますので、心配な場合はご注文前にご相談ください。
もちろん、確認するデータの添付もお忘れなく!
今回、事前確認を依頼したときの情報は下記の通りです。
制作したい商材 | ワンポイント不織布 黒 |
---|---|
商材のサイズ | A4サイズ(350×270mm) |
印刷色数 | 1色印刷 |
デザインサイズ | サイズは幅70mm、高さは成り行きで |
デザインの位置 | デザインは右下、袋の右から30mm、下から30mm |
その他質問、ご要望など | 印刷色は白を希望 編集ソフトを持っていないのですが、こちらのデータで袋は作成可能でしょうか? 追加費用が必要であれば教えていただきたいです。 |
さぁ、きちんと使えるデータになっているのでしょうか?
……ドキドキ……
デザイン担当からの回答は、下記の通りでした。
『画像をグレースケールに置き換えればデータ使用可能です。
通常のデータ確認費の範囲内で修正できますので、追加費用はかかりません。
指の部分など少し線の幅が狭い箇所はつぶれてしまうかもしれません。ご了承ください。
イメージ図を作成しましたので、ご確認ください。』
やりました!
コンビニのスキャンで、無事に印刷可能なデータを作ることができました!
しかも目標としていた追加費用のかからないデータです!
イメージ図まで作ってもらえたので、仕上がりイメージも掴みやすいですね。
今回上手くいったスキャンの設定を再度まとめておきます。
カラーモード | カラー |
---|---|
サイズ | A4サイズ(原稿サイズに応じて変更してください) |
解像度 | 400dpi |
原稿の画質 | 自動(文字/写真) |
ついでに、デザイン担当に「こんなデータは印刷には向いてないよ〜!」という例を教えてもらいました。
手書き原稿をスキャンしたデータを使用した場合の例です。
実際に印刷できるかはデザインやデータをみないとわかりません。
心配な方はデータの事前確認をお勧めします。
不織布への印刷は、「シルクスクリーン印刷」という手法で行われます。
線幅が細く繊細なイラストや、小さすぎる文字などは印刷で再現できない可能性があるので、あまり向いていません。
スキャンする前に線幅0.5mm、線と線の間のヌキ幅は1mm以上になるように意識して原稿を作成してください。
原寸サイズで原稿を作ると、線幅の仕上がりイメージが掴みやすくなるのでお勧めです。
普段使っているものだと特に意識せずに書いてしまいがちですが、罫線の入ったノートなどは罫線も一緒にスキャンされてしまいます。
また色のついた紙は、色によってはスキャンした後、特色1色への置き換えが困難になります。
原稿は必ず無地の白い紙を使用しましょう。
ノートなど、スキャナに置いたときに立体感が出るものだと、影が入りやすくなります。
意外と気づきにくいのが、紙に切り貼りをした場合です。紙1枚分のわずかな厚みの差が影となります。
原稿はコピー用紙など1枚ものの紙に書いた方が、きれいにスキャンできます。
文字などを入れたい!とプリントアウトされたデータをスキャンする際も、ご注意ください。
スキャンするときにやってしまいがちななのが、紙の裏移り。
「裏移り」とは、原稿用紙の裏側の文字や画像が映り込んでしまうことです。
最初から両面真っ白な紙に書いていれば、裏移りは起こらないのですが、人間どうしてもうっかりしてしまうこともありますよね。
裏移りを防ぐには、後ろに黒い無地の紙を敷いてスキャンすると効果的です。
このテクニックはコンビニだけでなく、会社やご家庭でスキャンするときにも使えるテクニックなので、ぜひ覚えてくださいね。
いかがでしたか?
今回のチャレンジでは、無事にコンビニのコピー機からスキャンして、修正費のかからないデータを作ることができました!
もちろん原稿のサイズやスキャンの設定など、全ての条件が整うことが前提です。
商品によってはデータに必要な解像度が少し高めなので、今回のスキャン方法は向かない場合もあります。
ワンポイントポリ袋 | 1,200dpi |
---|---|
エコクラフト紙袋 | 600dpi |
フレキソレジ袋 | 600dpi |
商材は限られてしまいますが、「パソコンや専用のソフトを持っていなくても、オリジナルバッグが作れる!」方法の一つとして、参考にしていただければ幸いです。
データ作成について何かご不明点・ご不安な点がありましたら、お気軽にレレカのスタッフまでお問い合わせくださいね。